精神科の初診では何をする? よく聞かれることや受診前の準備をわかりやすく解説しました

精神科の初診では何をする? よく聞かれることや受診前の準備をわかりやすく解説しました。

「精神科の初診では何をするの?」
「何を聞かれるのだろう」
「うまく話せなかったらどうしよう」
「こんなことで受診してよいのだろうか」

初めて精神科を受診するときに、不安や緊張を感じる方は少なくありません。
精神科の初診では、現在困っていることや症状の経過、生活への影響などを伺い、問診をもとに現在の状態を診断し、今後の治療方針を考えます。
患者さんとしては、あらかじめ病名を考えたり、話す内容を完璧にまとめたりする必要はありません。
うまく話せない場合も、医師が質問しながら一緒に整理していきます。
 

この記事では、
精神科の初診では何をするのか、
何を聞かれるのか、
受診前に準備しておくとよいものは何か、

わかりやすく解説します。

そもそも精神科とはどんな診療科?

精神科は、気分、思考、意欲、睡眠、行動など、こころや脳の働きに関係する症状を診療する診療科です。

例えば、次のような症状や困りごとについて相談できます。

  • 気分が落ち込む
  • 不安や緊張が強い
  • 眠れない
  • 朝起きられない
  • やる気が出ない
  • 集中できない
  • 突然、強い不安や動悸、息苦しさを感じる
  • イライラが続く
  • 仕事や学校に行けない
  • 人間関係のストレスが強い
  • 周囲から言動や様子の変化を指摘された
  • 物忘れが気になる

「病気かどうかわからない」「精神科を受診するほどではないかもしれない」という段階でも相談できますので、お気軽に受診ください。

精神科の初診では何をするの?

精神科の初診では、現在の症状や生活状況についてお話を伺い、その内容をもとに状態を評価します。
精神科では、血液検査や画像検査だけで病名が決まるわけではありません。現在の症状、症状が始まった時期、これまでの経過、生活への影響などを問診で確認して、総合的に診断をしていきます。

初診の主な内容は、次のとおりです。

1. 現在困っていることを伺います
まず、現在どのようなことで困っているのかを確認します。
例えば、次のような内容です。

  • 眠れない
  • 気分が落ち込んでいる
  • 不安が強い
  • 仕事に行くことがつらい
  • 集中できない
  • 突然、動悸や息苦しさが起こる
  • 家族や周囲から様子が変わったと言われた

このようなことも、すべてを自分から順序立てて説明する必要はありません。
「何から話せばよいかわかりません」と医師に伝えていただいても構いません。
「医師が必要な内容を順番に確認していきますので安心してください。

2. 症状が始まった時期や経過を確認します
次に、症状がいつ頃から始まり、これまでどのように変化してきたかを確認します。
主に次のようなことを伺います。

  • 症状はいつから始まったか
  • 何かきっかけがあったか
  • 徐々に悪くなったのか、突然始まったのか
  • 良くなる時間帯や悪くなる時間帯があるか
  • 過去にも同じような症状があったか
  • 日常生活にどの程度影響が出ているか

精神症状は、時間の経過によって変化することがあります。
症状の経過は、現在の状態を考えるうえで重要な情報になります。

3. 睡眠や食欲、生活状況を確認します
精神科では、症状だけでなく、日常生活の状況も確認します。
例えば、次のような内容です。

  • 眠る時間と起きる時間
  • 寝つきや途中で目が覚めること
  • 食欲や体重の変化
  • 仕事や学校の状況
  • 家庭や人間関係
  • 最近のストレス
  • 飲酒や喫煙の状況
  • 生活リズム

同じ症状でも、生活への影響や背景によって、必要な対応は異なりますので、生活についてもお話を聞かせていただきます。

4. これまでの病気や服薬状況を確認します
精神症状には、身体の病気や服用している薬が関係する場合があります。
そのため、次のようなことも確認します。

  • これまでにかかった病気
  • 現在治療中の病気
  • 現在服用している薬
  • 過去に受けた精神科・心療内科の治療
  • 薬で起きた副作用
  • 家族の病歴

現在薬を服用している方は、お薬手帳や薬の名称がわかるものをご準備ください。

5. 問診をもとに診断を考えます
精神科では、問診で伺った内容をもとに、現在の状態や病気の可能性を検討します。
精神科で診療する主な病気や状態には、次のようなものがあります。

  • うつ病
  • 適応障害
  • 不安症
  • パニック症(パニック障害)
  • 双極症
  • ADHD
  • 睡眠障害
  • 統合失調症
  • 認知症

ただし、初診だけで診断が確定するとは限りません。
症状の経過を確認しなければ判断が難しい場合や、身体疾患や薬の影響を除外する必要がある場合もあります。
そのため、何度か診察を行い、症状の変化や治療への反応を確認しながら診断することがあります。

6. 今後の治療方針を相談します
現在の状態を整理したうえで、今後の治療方針を相談します。
治療方法には、次のようなものがあります。

  • 休養
  • 生活リズムの調整
  • 睡眠やストレスへの対処についての助言
  • 仕事や学校などの環境調整
  • 薬物療法
  • 定期的な診察
  • 必要に応じた他科や他院への紹介

精神科を受診したからといって、必ず薬が処方されるわけではありません。
症状や生活状況によっては、薬を使わずに経過を見ることもあります。薬が必要と判断した場合には、期待できる効果や副作用について説明し、相談しながら治療方針を決めます。

うまく話せる気がしないという方へ

すべてを初診で詳しく話さなければならないわけではありません。
話しにくいことや、まだ整理できていないことについては、無理に話す必要はありません。
診察を重ねながら、少しずつお話しいただくこともできます。
うまく話せなくても大丈夫です。

初診では、緊張して言葉が出なくなったり、話がまとまらなくなったりすることがあります。
そのようなことは珍しくありません。

「眠れません」
「仕事に行くのがつらいです」
「理由はわからないけれど不安です」
「何から話せばよいかわかりません」

という一言からでも診察を始めることができます。
どうしても診察で話したいことを忘れそうだという場合は、簡単なメモを用意しても構いません。

例えば、次の内容を箇条書きにしておくとよいでしょう。

  • 一番困っていること
  • 症状が始まった時期
  • 思い当たるきっかけ
  • 睡眠や食欲の状態
  • 仕事や学校への影響
  • 現在服用している薬
  • 医師に聞きたいこと

文章としてきれいにまとめる必要はありません。
診察中にメモを見ながら話しても問題ありません。
診察中に泣いてしまったり、言葉に詰まったりしても問題ありません。
医師が質問しながら、現在の状態を一緒に整理します。

症状が軽くても受診しても良いのか?

「もっと症状が重い人が行く場所なのではないか」
「この程度の悩みで受診したら迷惑ではないか」
「こんなことで来たのかと思われないだろうか」

と心配する方もいます。

少なくとも北参道メディカルクリニックでは、受診したことを責めたり、「こんなことで来たのですか」と言ったりすることはありません。
どの程度つらいかは、外から見ただけではわかりません。
同じ出来事でも、受ける影響は人によって異なります。
ご本人が困っていることや、日常生活に支障が出ていること自体が、相談する理由になります。

精神科と心療内科はどちらを受診すればよい?

精神科と心療内科には、本来の定義に違いがあります。
精神科は、気分の落ち込み、不安、不眠、意欲低下など、こころや脳の働きに関係する症状を主に診療します。
心療内科は、本来、ストレスなどの心理的要因が関係する身体症状や心身症を主に診療する診療科です。

ただし、実際には、精神科と心療内科で診療内容が重なっている医療機関も多くあります。
気分の落ち込み、不安、不眠などで困っている場合は、「精神科か心療内科か」にこだわりすぎず、その医療機関がご自身の症状に対応しているかを確認して受診するとよいでしょう。

初診前に準備しておくとよいもの

初診では、次のものを用意しておくと診察が進みやすくなります。

  • お薬手帳
  • 現在服用している薬がわかるもの
  • 他院からの紹介状
  • 他院で受けた検査結果
  • 過去の診断書や診療情報提供書
  • 症状や医師に聞きたいことをまとめたメモ

紹介状や検査結果は絶対に必要なものではありません。
それらがない場合でも、受診できますので、まずは受診をして、医師にご相談ください。

現在服用している薬がある場合には、薬の名称、用量、服用回数がわかるようにしてください。
お薬手帳のほか、薬袋や薬の写真でも確認できる場合があります。

オンライン診療は初診でも受けられる?

精神科の初診は、オンライン診療で受けられます。

オンライン診療でも、医師が映像と音声を通じてリアルタイムで診察し、現在の症状や生活状況を確認します。
表情や様子も診察に必要なため、診察中はビデオをオンにしてください。
症状や安全性の観点から、対面での診察や検査が必要と判断される場合もあります。

北参道メディカルクリニックのオンライン診療については(初診の予約枠、料金、システム利用料、電子処方箋、診断書、具体的な受診の流れなど)、以下の記事で詳しく解説しています。
オンライン心療内科・精神科とは? 初診30分・システム利用料0円のオンライン診療

よくある質問をまとめます

・精神科の初診では必ず診断がつきますか?
初診だけで診断が確定するとは限りません。症状の経過や生活状況を確認しながら、何度か診察を行って判断する場合があります。

・精神科を受診すると必ず薬が処方されますか?
必ず薬が処方されるわけではありません。症状や生活状況によっては、休養、生活リズムの調整、環境調整などを提案し、薬を使わずに経過を見ることもあります。

・カウンセリングは受けられますか?
精神科の診察と心理カウンセリングは異なります。今のところ北参道メディカルクリニックには、カウンセラーや公認心理師は在籍していません。当院で行うのは、医師による精神科診療です。継続的な心理カウンセリングや心理検査が必要と考えられる場合には、対応可能な医療機関や相談機関をご案内することがあります。

・初診ですべて話す必要がありますか?
すべてを初診で話す必要はありません。話しにくいことや、まだ整理できていないことは、診察を重ねながら少しずつお話しいただけます。

・何を相談すればよいかわかりません。
現在最も困っていることからお話しください。「眠れない」「仕事に行くのがつらい」「理由はわからないけれど不安」といった内容からでも、医師が質問しながら状態を整理します。

【まとめ】とにかくご相談ください

ここまでの内容をまとめます。

精神科と心療内科には本来の定義の違いがありますが、実際には診療内容が重なっている医療機関も多くあります。気分の落ち込み、不安、不眠などで困っている場合は、どちらかにこだわりすぎず、ご自身の症状に対応している医療機関へ相談するとよいでしょう。

精神科の初診では、現在困っていることや症状の経過、睡眠や食欲、仕事や家庭への影響などを伺い、問診をもとに現在の状態や治療方針を考えます。うまく話せなくても、病名がわからなくても問題ありません。「こんなことで受診してよいのかな」と悩んだときは、そのままご相談ください。

少なくとも北参道メディカルクリニックでは、受診したことを責めたり、「こんなことで来たのですか」と言ったりすることはありません。医師が質問しながら、一緒に現在の状態を整理していきますので、ご安心ください。

院長・小林伸行

精神科・心療内科のご相談は
北参道メディカルクリニックへ

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