「朝になると、どうしても仕事に行けない」
「会社のことを考えると、涙が出たり、動悸や吐き気がしたりする」
「休んだ方がよいと思うが、甘えているだけなのではないか」
このような状態で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
仕事に行きたくないと感じることは、誰にでもあります。しかし、行かなければならないとわかっていても身体が動かない、出勤しようとすると心身の不調が強くなる、欠勤を繰り返しているといった場合には、単なる気持ちの問題として片づけるべきではありません。
背景に、うつ病、適応障害、不安症、睡眠障害などが関係している可能性もあります。また、精神疾患の診断に当てはまらなくても、心身の疲労が強く、休養や職場環境の調整が必要なことがあります。
この記事では、仕事に行けないときに精神科・心療内科を受診する目安、休職を考える場合の流れ、診断書について解説します。
「仕事に行けない=甘え」ではありません
仕事に行きたくないという気持ちだけで、精神疾患があると決まるわけではありません。
仕事への不満、人間関係の悩み、睡眠不足、身体的な疲労などにより、一時的に出勤をつらく感じることはあります。休日や短い休養によって回復し、普段どおり生活できている場合には、必ずしも治療が必要とは限りません。
一方で、本人は「行かなければならない」と考えているのに、次のような状態が続くことがあります。
- 朝になると身体が動かない
- 出勤しようとすると涙が出る
- 会社のことを考えると動悸、息苦しさ、吐き気、腹痛などが起こる
- 眠れない、または朝早く目が覚める
- 食欲がなくなった
- 集中できず、仕事上のミスが増えた
- 何をしても楽しいと感じられない
- 休日も疲労が取れない
- 遅刻、早退、欠勤が増えている
- 「消えてしまいたい」「自分には価値がない」と考える
このような状態は、意志の弱さや甘えだけで説明できるものではありません。心身の状態を一度、医学的に確認した方がよい場合があります。
仕事に行けなくなる背景には、さまざまな原因があります
同じ「仕事に行けない」という状態でも、原因は一人ひとり異なります。
●適応障害
職場の人間関係、業務量の増加、配置転換、転職など、明確なストレスをきっかけとして、気分の落ち込み、不安、不眠などが生じ、仕事や日常生活に支障が出ることがあります。ストレスの原因から離れると症状が軽くなることもありますが、無理を続けることで症状が悪化する場合があります。
●うつ病
気分の落ち込みだけでなく、意欲や集中力の低下、強い疲労感、不眠、食欲低下などがみられます。仕事だけではなく、休日や自宅でも気分が晴れず、これまで楽しめていたことを楽しめなくなることがあります。
●不安症・パニック症
気分の落ち込みだけでなく、意欲や集中力の低下、強い疲労感、不眠、食欲低下などがみられます。仕事や通勤について考えたときに、強い不安、動悸、息苦しさ、発汗、めまいなどが生じることがあります。電車に乗れない、人の多い場所に行けないといった理由から、出勤が難しくなる場合もあります。
●睡眠障害や生活リズムの乱れ
眠れない状態が続くと、朝起きられなくなり、集中力や判断力も低下します。反対に、うつ病や不安症などの症状として不眠が現れることもあります。
●身体疾患や薬の影響
貧血、甲状腺疾患、感染症、睡眠時無呼吸症候群などの身体疾患や、服用している薬の影響によって、強い疲労感や眠気、意欲低下が生じることもあります。精神的な問題だと思っていても、身体的な原因の確認が必要な場合があります。
●精神科・心療内科を受診する目安
次のような場合には、精神科・心療内科への相談を検討してください。
- 症状が続き、改善する様子がない
- 仕事や日常生活に支障が出ている
- 遅刻、早退、欠勤を繰り返している
- 出勤前に強い身体症状が出る
- 自分だけでは状態を整理できない
- 家族や同僚から休んだ方がよいと言われた
- 仕事を続けることに限界を感じている
- 休職が必要か医師に相談したい
精神科・心療内科のクリニックでは、「うつ病かどうかわからない」「受診するほど重くないかもしれない」という段階でも、相談を受け付けています。
受診前から、自分で病名を決める必要はありません。現在どのようなことで困っているのか、仕事や生活にどの程度支障が出ているのかを医師と一緒に整理しましょう。
無理をして出勤を続けた方がよいのでしょうか
つらくても出勤した方がよいのか、休んだ方がよいのかは、症状や職場の状況によって異なります。
一日休むことで回復する場合もあれば、ある程度まとまった休養が必要な場合もあります。業務量、勤務時間、担当業務などを調整することで、仕事を続けられることもあります。そのため、一律に「すぐ休職すべき」「無理をしてでも出勤すべき」と判断することはできません。
ただし、強い不眠や食欲低下が続いている、判断力が低下している、出勤しようとすると激しい動悸や吐き気が起こる、自分を傷つけたい気持ちがあるといった場合には、無理に出勤を続けず、早めに医療機関へ相談してください。
休職とは?
休職とは、病気などの事情によって働くことが難しい場合に、雇用関係を維持しながら、一定期間仕事を休む仕組みです。
休職制度の有無、利用できる期間、申請方法、休職中の給与などは、会社の就業規則によって異なります。まずは、就業規則を確認するか、人事・労務担当者へ問い合わせてください。
精神科・心療内科では、現在の症状、仕事への影響、治療や休養の必要性などを診察します。その結果、医師が休養を必要と判断した場合には、休職に関する診断書の発行を検討します。
精神科で休職の相談ができます(診断書の発行を検討します)
休職を希望している場合には、診察時にそのまま医師へ伝えて構いません。
例えば、次のように伝えると状況を整理しやすくなります。
- どのような症状があるか
- 症状がいつから始まったか
- 仕事のどのような場面で症状が強くなるか
- 遅刻、早退、欠勤がどの程度あるか
- 睡眠や食欲に変化があるか
- 仕事を続けるうえで何に困っているか
- 会社から診断書の提出を求められているか
うまく説明できなくても問題ありません。「仕事に行けません」「休職した方がよいのか相談したい」という一言からでも、医師が質問しながら状態を確認します。
診断書は希望すれば必ず発行されるわけではありません
診断書は、患者さんの希望だけで内容を決める書類ではありません。 医師が診察を行い、現在の症状や生活状況、就労への影響などを確認したうえで、休養が必要と判断した場合に発行します。
そのため、診察の結果によっては、休職ではなく、勤務時間の短縮、残業の制限、業務内容の調整などを提案する場合があります。初診だけでは判断が難しく、経過を確認してから診断書を検討することもあります。
また、診断書を発行する場合でも、休職期間は一律ではありません。病状や治療経過、職場環境などを考慮して判断します。
初診当日に診断書を発行できますか?
初診当日でも、診察によって病状と休養の必要性を確認できた場合には、診断書を発行することがあります。
ただし、初診当日の発行を保証するものではありません。診断が難しい場合、身体疾患の確認が必要な場合、本人確認や診療情報が十分でない場合などには、追加の診察や対面受診、検査をご案内することがあります。
会社所定の書式がある場合や、診断書に記載してほしい項目を会社から指定されている場合には、診察前に確認しておくとよいでしょう。
オンライン診療でも休職の相談ができます(診断書の発行もできます)
精神科のオンライン診療でも、医師が映像と音声を通じてリアルタイムで診察し、症状や生活状況、仕事への影響を確認します。診察の結果、医師が必要と判断した場合には、オンライン診療でも診断書を発行することがあります。
一方で、緊急性が高い場合、身体診察や検査が必要な場合、オンラインだけでは安全な判断が難しい場合には、対面の医療機関をご案内することがあります。
オンライン診療は、会社へ行けないほどつらく、医療機関まで移動することも負担になっている方や、人目が気になって受診をためらっている方にとって、相談方法の一つになります。
平日の受診が難しい方は、夜間・土曜日のオンライン診療も選択肢に
仕事に行くことがつらくても、
「受診するために会社を休むことが難しい」
「精神科を受診することを職場に知られたくない」
「平日の日中は仕事があり、医療機関へ行く時間をつくれない」
という理由から、受診を先延ばしにしてしまう方もいます。
北参道メディカルクリニックでは、夜間および土曜日にも精神科・心療内科のオンライン診療を行っています。医療機関まで移動する必要がなく、ご自宅などから受診できます。
仕事を続けられる状態なのか、休職を考えた方がよいのか、診断書について相談したいといった段階でもご相談いただけます。
診察の結果、医師が医学的に必要と判断した場合には、休職に関する診断書を発行します。診断書の発行を保証するものではありませんが、現在の症状と仕事への影響を確認し、休養や勤務調整が必要かを一緒に検討します。
診療日時は変更となる場合がありますので、最新の診療時間と予約可能な時間帯は、予約画面でご確認ください。
休職までの一般的な流れ
一般的には、次のような流れで休職を検討します。
1.会社の就業規則や申請方法を確認する
2.精神科・心療内科を受診する
3.現在の症状と仕事への影響を医師に伝える
4.医師が必要と判断した場合に診断書が発行される
5.診断書を会社へ提出し、休職手続きを行う
6.休職中も定期的に診察を受ける
7.症状の回復状況を確認しながら復職を検討する
会社によっては、上司や人事担当者との面談、産業医面談などが行われることもあります。
休職は、診断書を提出して終わりではありません。休職中も治療や生活リズムの調整を続け、復職の時期や働き方を医師、会社、産業医などと相談していくことが重要です。
休職中の生活費が心配な場合は傷病手当金を確認してください
健康保険に加入している方が、業務外の病気やけがの療養のため仕事に就けず、給与を受けられないなどの条件を満たした場合には、傷病手当金を受給できる可能性があります。
1日あたりの支給額は、原則として次の計算式で算出されます。
【1日あたりの支給額】支給開始前12か月の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日 × 3分の2
そのため、休職前の給与のおおむね3分の2が補われるイメージですが、実際の手取り額の3分の2とは限りません。例えば、標準報酬月額の平均が30万円の場合、1日あたりの支給額は約6,667円、30日分では約20万円が目安です。
連続する3日間の待期期間を経た後、4日目以降の仕事に就けなかった日が支給対象となり、支給期間は支給開始日から通算して最長1年6か月です。休職中に給与の一部が支払われる場合には、傷病手当金との差額のみが支給されることがあります。
なお、傷病手当金は非課税ですが、休職中も社会保険料や住民税の支払いが必要になる場合があります。加入している健康保険や勤務状況によって取り扱いが異なるため、勤務先の人事・労務担当者や健康保険へ確認してください。
緊急の相談が必要な場合
次のような状態がある場合には、通常の診療予約を待たず、救急医療機関や地域の相談窓口へ連絡してください。
- 自分を傷つけようとしている
- 「死にたい」という気持ちが強く、具体的な方法を考えている
- 一人で安全を保つことが難しい
- 意識がもうろうとしている
- 強い興奮や混乱がある
差し迫った危険がある場合には、119番へ連絡してください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」でも、電話やSNSの相談窓口が案内されています。
北参道メディカルクリニックではオンラインでご相談いただけます
北参道メディカルクリニックでは、精神科・心療内科のオンライン診療を行っています。
「仕事に行けない」
「休職した方がよいのかわからない」
「会社から診断書を提出するように言われた」
という方も、ご自宅などからご相談いただけます。
夜間および土曜日にも診療枠を設けていますので、平日の日中に医療機関を受診することが難しい方も、仕事を休まずに相談できる場合があります。最新の診療日時は、予約画面でご確認ください。
初診は30分程度の時間を確保し、現在の症状、症状が始まった時期、仕事や生活への影響などを伺います。診断や休職の必要性を最初からご自身で判断する必要はありません。
当院では、通常の保険診療の自己負担分とは別のシステム利用料、予約料、オンライン診療追加料金はいただいておりません。診察の結果、医師が必要と判断した場合には、当院書式の診断書をPDFで発行します。診断書料は1通3,300円(税込)です。
症状が深刻になるまで、一人で我慢する必要はありません。「この程度で受診してよいのだろうか」と迷っている段階でも、ご相談ください。
院長・小林伸行
精神科・心療内科のご相談は
北参道メディカルクリニックへ
【よくある質問】
Q:病名がわからなくても受診できますか?A:受診できます。受診前から、ご自身で病名を決める必要はありません。現在困っていることや仕事・生活への影響を伺い、医師が状態を整理します。 Q:休職するか決めていなくても相談できますか?
A:相談できます。休職が必要か、仕事を続けながら勤務調整を行えるかなどを、診察のうえで一緒に考えます。 Q:初診で診断書を必ず発行してもらえますか?
A:診断書の発行は、診察を行い、医師が医学的に必要と判断した場合に限ります。初診だけでは判断できず、追加の診察や検査が必要になることもあります。 Q:家族だけの相談で本人の診断書を発行できますか?
A:診断書を発行するためには、ご本人の診察が必要です。ご本人が参加しない家族相談だけでは、本人の診断や診断書の発行はできません。 Q:休職中も通院は必要ですか?
A:病状や治療内容によって異なりますが、休職中も定期的に診察を受け、症状や生活状況を確認することが一般的です。復職を検討する際にも、休職中の経過は重要な情報になります。 Q:夜間や土曜日でも、休職や診断書について相談できますか?
A:当院では、夜間および土曜日にもオンライン診療を行っています。休職や診断書についてもご相談いただけます。ただし、診断書の発行は、診察のうえ、医師が医学的に必要と判断した場合に限ります。最新の診療日時と空き状況は、予約画面でご確認ください。
【参考情報】
- 厚生労働省「こころの耳」
- 厚生労働省「オンライン診療について 国民・患者の皆様へ」
- 全国健康保険協会「傷病手当金」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」相談窓口